Googleに学ぶ、未来の自分が後悔しない時間の使い方
今回は視点を変えて、私たち一人ひとりの働き方に焦点を当てます。 最近私が読んだ本を題材に、生産性向上のテクニックを超えた、本質的な時間の使い方について考えてみましょう。
ハウツー本の先にある本質的な生産性向上とは?テクニックではなく「計画」と「ポリシー」の重要性、そして未来の自分が望む働き方を実現するための具体的アプローチを紹介します。
最近私が読んだ本を題材に、生産性向上のテクニックを超えた、本質的な時間の使い方について考えてみましょう。

組織に戻った私が見た景色
約10年ぶりに組織に戻った2025年の1月、私は少し驚いていました。
深夜まで残業して疲弊しているのに、本来対応すべきことに追いつけていない人たちがいる。事前に計画を立てず、次々と飛び込んでくる仕事に場当たり的に対応し続ける。気持ちに余裕がないからミスが出て、モチベーションが下がって、さらに長時間かかる——その悪循環が、職場のあちこちで静かに回っていました。
ある同僚が、パートナーとの先約より後から入った役員の会食を優先したとき、「サラリーマンだから」と言いました。
その言葉が、頭から離れませんでした。
長時間働くこと自体が悪いとは思いません。本人が必要だと感じ、納得してやっているなら、それは一つの選択です。問題は「やらされ感」のある仕事に時間を奪われ続けることです。大切なものは、時間の使い方を見れば正直に映し出されます。どんなに「家族が大事」と言っていても、行動がそうでなければ、それが本当の優先順位です。
その同僚は優秀な人でした。だからこそ、問わずにいられなかった。未来の自分を、失望させないのだろうか、と。
「計画」はガチガチなものじゃない
正直に言うと、私自身、それまで「計画」という言葉にあまり良いイメージを持っていませんでした。一度決めたら変更できない、柔軟性を奪う、どうせ通りにいかないのに意味がない——そんな先入観です。
フリーランス時代は、経験を積むうちに「この仕事にはこのくらいかかる」という感覚が育ってきたので、カレンダーに何をいつやるかを書くだけで十分でした。でも組織の一員になると、自分だけでは時間をコントロールできない場面が山ほど出てくる。突発の相談、目的が不明瞭な会議、情報共有のためだけの打ち合わせ。「感覚」だけで乗り越えようとしても、すぐに限界が来ました。
そのタイミングで出会ったのが、この一冊でした。
読んで気づいたのは、計画の前に必要なものがある、ということです。それは「ポリシー」、つまり自分の価値観の軸でした。
優先順位は、「決める」ものではなく「掘り出す」もの

本書が提案する最初のステップは、「自分の優先順位トップ3を決める」ことです。
私が掘り出したのは「①心と体の健康、②家族との時間、③仕事」でした。
この軸があれば、迷ったとき答えは自ずと出ます。残業するか帰るか迷ったとき、特別な理由がない限り帰宅を選ぶ。それは冷たい判断ではなく、自分が大切にするものを守るための、静かな意志決定です。
著者は他人にも「あなたの優先順位トップ3は何ですか?」と積極的に尋ねるそうです。その人の価値観を知ることで、行動の背景が理解でき、摩擦が減る。ぜひ取り入れたい問いだと思いました。
エネルギーは「ポイント制」で考える
もう一つ、自分の働き方を変えたのが「エネルギー管理」という視点です。
やる気のない自分を責めることに、何年も時間を使ってきました。でも問題はやる気ではなく、エネルギーの残量に合わないタスクを当てていたことだったのかもしれません。
私は朝が得意なので、集中が必要な作業は午前中に置く。午後は会議や対話系の仕事、夕方は事務処理や簡単なタスク。それだけで「今日も何もできなかった」と感じる夜が、ずいぶん減りました。
計画とは、未来の自分へのラブレターだと本書は言います。今の自分ではなく、未来の自分が何を望むかを考えながらスケジュールを組む。その感覚が腑に落ちてから、私にとって計画は「制約」ではなく「自分を守るための設計図」になりました。
「忙しい」を誇らしげに使っていたら、要注意
時間の使い方は、その人の本当の優先順位を正直に映し出します。
「忙しい」という言葉を、どこか誇らしく使っていた時期が私にもありました。でも今思えば、それは「自分の優先順位を守れていない」ことへの、無意識の言い訳だったかもしれません。
ハウツーより先に、軸を持つ。その軸を守れるのは、最終的には自分だけです。
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