常識を破壊せよ。大学ベンチャーと地銀が仕掛ける地域経済のゲームチェンジ

既存の枠組みを超えた異分野連携が、キャリアと地域の可能性を広げる。熊本の大学×地銀の事例から学ぶ、専門性の新しい活かし方。あなたのスキルと経験が、思わぬ分野で輝くかもしれない

常識を破壊せよ。大学ベンチャーと地銀が仕掛ける地域経済のゲームチェンジ

既存の枠組みを超えた異分野連携が、キャリアと地域の可能性を広げる。熊本の大学×地銀の事例から学ぶ、専門性の新しい活かし方。あなたのスキルと経験が、思わぬ分野で輝くかもしれない。キャリアチェンジを考える人必見の地域創生モデル。

しかし、大学の研究室から事業化への道のりは平坦ではありません。
そこには、研究者たちが直面する独自の課題がありました。

<目次>

✨️九州NOW:「技術だけで会社は作れない」—研究者が直面する現実

「技術的には大きな可能性を秘めていたものの、製造工程に課題があった。例えば、ある製品を100個作ったとき、すべてを同じ品質で作ることができない。製品として安定的に供給できる体制を整えることが必要だった」

熊本大学発ベンチャーのCASTを創業した中妻啓さんは、起業の苦労をこう語る。研究室での成功と市場での成功は全く別物なのだ。

もう一つの大きな課題は経営人材の不足だ。「特に地方では、研究開発型ベンチャーの経営を担える人材が非常に限られている」と中妻さんは指摘する。

優れた研究者が必ずしも優れた経営者になれるわけではない

「研究者の多くは研究そのものに情熱を持っており、経営よりも研究活動に専念したいと考えるのが自然だ」

この問題は「担い手不足」という点で、地方が抱える多くの課題と共通している。大学発ベンチャーでは「技術の担い手」はいても「経営の担い手」が不足しており、優れた技術があっても、それを事業化し経営していく人材がいなければ、せっかくの可能性も花開かない。

この課題に対して、熊本では既存の枠組みを超えた新しい取り組みが始まっている。

大学のキャンパス内に銀行?異色の取り組みの真意

「私たちは『地域にどんな地銀があるかによって、その地域の未来が変わる』と考え、行動している。人口が減少する中では、新たな産業を作っていくことが必要だ」

肥後銀行の産業イノベーション推進部スタートアップ推進室長、小橋口誠也さんの言葉には強い覚悟が感じられた。

同行は熊本大学との連携協定に基づき、大学構内に「肥銀アントレプレナーサポートオフィス」を設置した。金融機関が大学のキャンパス内に拠点を作るのは全国的にも珍しい取り組みだ。

なぜキャンパス内なのか?

そこには「距離」の問題がある。物理的な距離が近いことで、研究者と金融機関の心理的距離も縮まる。研究室から銀行窓口までの見えない壁を取り払うことで、アイデアの段階から事業化までをシームレスに支援できる体制が生まれるのだ。

同オフィスの主な役割は、次のとおり。

  • 大学の研究成果から有望なシーズを発掘し事業化を支援する
  • 投資先の価値向上を支援する
  • 学生起業の支援
  • 産学連携マッチング

そして研究者と経営人材のマッチングだ。注目すべきは「熊本テックプランター」というビジネスコンテストで、起業前の研究の発掘から会社設立までを支援していること。

この取り組みは、地方創生には「既存の枠組みを超えた連携」が不可欠だということを示唆している。小豆島では、人口減少による「負のスパイラル」が地域の持続可能性を脅かしていた。同様に、地方大学の研究成果が事業化されずに眠ったままでは、地域の未来は明るくない。

しかし、大学(知)と銀行(金)という異なる強みを持つ機関が連携することで、新たな産業創出の可能性が広がる

「地域の未来は、地域の地銀によって変わる」—この言葉には、単なる金融機関の枠を超え、地域の産業構造を変革しようとする意志が感じられる。

あなたの住む地域にも、こうした「既存の枠組みを超えた連携」の芽はないだろうか?日常の風景の中に、未来を変える可能性が隠れているかもしれない。

💪リデザインのためのアクション

1️⃣ 異なる分野の人との対話を始める

  • 普段接点のない職業の人と話す機会を作る
  • 地域の異業種交流会やイベントに参加してみる
  • オンラインコミュニティで自分と異なる背景を持つ人と交流する

2️⃣ 地域の課題に新しい視点で向き合う

  • 住んでいる地域の課題について調べてみる
  • 自分のスキルや経験が地域にどう活かせるか考える
  • 地元の特産品や文化資源を新しい視点で見直してみる

3️⃣ 小さな協力関係を築く

  • 近所の人と得意分野を活かした助け合いを始める
  • 地域の団体やプロジェクトに参加してみる
  • 自分の知識やスキルを地域の人に教えたり、逆に学んだりする機会を作る

👇️今回の大学発ベンチャー✕地銀の取り組みに関する記事全文はこちらです

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出口の先を見据える。地銀の大学発ベンチャー支援モデル

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