40代で人生を再設計する。リデザインは新しい可能性との出会いから

人生100年時代と言われる今、私たちには複数の転機があるのかもしれません。40代、50代であっても、まだまだ新しいことを始められる。むしろ、経験を活かした転換だからこそ、より深い実りがあるのではないでしょうか。

40代で人生を再設計する。リデザインは新しい可能性との出会いから

2025年が始まり、早くも2週間が過ぎました。年の初めは誰もが「変化」について考える季節ですね。でも、人生の大きな転換は、必ずしも年初だけのものではありません。むしろ、思いがけない出会いや小さな違和感が、新しい可能性の扉を開くことがあります。

📝今週のテーマ:人生を再設計する

<目次>

今月は、45歳で大きな転身を決意した夫のストーリーをお届けします。仕事を「変える」だけでなく、人生そのものを「リデザイン」した選択。その決断に至るまでには、誰もが経験する迷いや不安、そして新しい可能性との出会いがありました。

✨️今月のリデザイン:決断のとき。45歳、定年のない人生へ

デスクワークは絶対に嫌だ。そう断言して航空機整備の道を選んだ私を、今となっては少し笑ってしまう。1991年、バブル経済の余韻がまだ残る中で航空会社に入社した。乗客の安全を担う仕事への憧れと一日中机に向かう仕事への拒否感が、私を整備の世界へと導いた。

予期せぬ転機

しかし、整備の現場で過ごしたのはわずか4年。一等航空整備士の資格を取得したその直後、思いがけない異動の辞令が下りた。皮肉なことに、そこで待っていたのは、かつて避けようとしたデスクワークだった。

ところが、この異動が私の世界を大きく広げることになる。デスクワークの日々は、新しい発見と刺激に満ちていた。特に印象深かったのは、中古機をブラジル航空会社から引き取る業務だ。3週間に及ぶブラジル滞在。言葉の壁はあったが、仕事に国境はなかった。

外国語なんて全然できない私が、現地の航空機リース会社からスカウトの話までいただいたのは今でも不思議だ。ポルトガル語を少し勉強はしたものの、本当に使えるようになることはなかった。それでも仕事は進んでいった。技術者同士、辞書と図面を片手に身振り手振りで意思疎通ができる。「仕事の本質は言語ではない」─その実感は、後の人生にも大きな示唆を与えることになった。

静かな危機感

30代半ばを過ぎた頃から、私の心に変化が訪れ始める。仕事に慣れ、私生活も落ち着いてきた。そんな時期だからこそ、将来への不安が静かに芽生えていった。会社の制度改革を間近で見ていた私は、次第に気づき始めた。これまで当たり前だと思っていた終身雇用の神話が、実は砂上の楼閣だったことに。