「ウルトラセブン」から半世紀足らず、「ターミネーター」まで4年。SFが現実になる“加速”と、私たちがすべきこと
今月の「テックてく歩く」は、SFが現実になる「速度」に焦点を当ててみます。かつて夢物語だったテクノロジーが、今や私たちの仕事や暮らしのすぐそばまで来ている現実。テレビや映画でSFや特撮ものを観ながら「すごいな。こんな未来、本当に来るのかな?」なんてことを話していた遠い昔を懐かしく思います。
私たち世代だけが感じる「SFの肌感覚」
子供の頃、特撮ヒーローが腕時計に向かって仲間と通信する姿に、胸を躍らせた世代は、私だけではないはずです。
私たちアラ還世代にとって、あれは紛れもない「未来」の象徴でした。
そして今、私たちはその「未来」に生きています。この「SFが現実になるまでの約半世紀」という時間を、丸ごと体験してきた私たち世代だからこそ、胸に宿る特別な感覚があります。
それは、AIの進化がもたらす便利な未来への「ワクワク感」であると同時に、映画『ターミネーター』が描いたような、人間の知性を超えた存在が生まれることへの、漠然とした「不安感」です。
この両義的な感覚は、物心ついた時から携帯やスマホが当たり前だった40代以下の世代にはない、私たち世代特有の「実感」かもしれません。
今月は、この「実感」を道しるべに、私たち(中小企業やフリーランス)がAIの未来にどう備えるべきかを考えます。
「半世紀足らず」の法則が、「あと4年」の加速を示す
まず、SFの「夢」が「現実」になるまでの時間を見てみましょう。
1967年の『ウルトラセブン』でウルトラ警備隊が使っていた「ビデオシーバー」(腕時計型テレビ電話)。2015年デビューしたApple Watchのような主流のスマートウォッチ単体では、音声通話に留まります。映像までは必要ないのでしょうね。しかし、技術的には可能です。実際に子供向けのモデルなどでは、カメラと4G回線を搭載し「ビデオ通話」ができるモデルが、かなり前から市販されています。
SF(1967年)から約48年で、あの夢は(主流ではないにせよ)「技術的に実現可能」になったのです。